受賞タイトル

各研究の概要

リミットサイクルを持つ常微分方程式の超離散化

T040023 奥野拓也(松木平研究室)

微分方程式の中で任意の初期値からの出発した解軌道がある一定の軌道に収束する現象がある。 この現象はリミットサイクルと呼ばれている現象である。 リミットサイクルは化学反応,生物学,生体反応など様々な分野に現れる現象である。 一般にリミットサイクルは非線形であるため厳密解を求めることは困難である。 しかし、差分化を行うことによって数値解を得ることはできる。

本研究では差分方程式に対し、区分的に解析が可能となる超離散化を行い解の時間発展を追った。 その結果、あるリミットサイクルを持った方程式では一部に2周期解が現れた。 さらに係数を整数から実数に拡張することにより4周期解やカオス解を得ることができた。

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可積分方程式の生成とその手法

T040053 田中 宏典(松木平研究室)

この世の中の現象は、連続と離散で表現されます。 微分方程式と差分方程式はそれらの現象を記述するものであり、数々の研究者によってその解が明らかにされてきました。

今回の研究では、超離散とよばれる新たな手法を用いて差分方程式から超離散方程式を作り出し、相平面で描かれた解軌道が周期的な軌道であったときに保存量が存在するかどうかを調べていきました。 その結果、これまでに定義されたQRT系から拡張された新しい可積分方程式とその生成手法を発見できました。

今後も新たな方程式を見つけて、一般的な形を定義できることを期待し研究していきます。

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Lotka-Volteraモデルによる多様性と安定性の逆理について

T040057 飛永賢一(森田研究室)

地球上には多くの生物が存在し様々な食物連鎖を形成し共存している。 この共存についてEltonは寒帯や温帯に比べ熱帯気候のように、より多くの生物が存在し共存し合い、複雑な食物網を形成する方が安定に共存すると考えた。 多くの生物が相互作用し合えば、1種類の生物が爆発的に増加する可能性が低いと考えられたからである。 この考えに対して、Mayはある種の数理モデルを用いて数学的に確かめた結果、生物の種数、相互作用が多種多様なほど確率的に共存しにくいというまったく逆の結論に至った。 この矛盾を「多様性と安定性の逆理」と呼ばれる。

本研究ではLotka-Volterraモデルを用いてMayの主張を確かめた。 研究方法は、3,4,5種において食物網を決め、これら食物網に対応するモデルの係数に[0,1)の一様乱数を与え、シミュレーションし共存するか確率的に調べた。 10000個標本を用意し、標本平均を求め母平均の範囲を推定した。その結果、Mayの主張が確かめられた。 このことからEltonの考えを確かめる場合、Lotka-Volterraモデルだけでは不十分であることがわかった。

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白金板上に吸着する分子のパターン形成

T040058 富永翔(池田研究室)

白金は化学反応の反応速度を速めるのによく使われる金属です.複数のガスを表面に吸 着させて化学反応を促進します.このような反応の一つに,一酸化炭素と酸素から二酸化 炭素を生成するものがあります.この反応の過程で白金表面に吸着する一酸化炭素分子と 酸素原子が様々な模様を作り出すことが知られていますが,私の卒業研究では,この模様 の形成を議論したつぎの論文の中の数値計算結果の追試を行いました:

Y. Takei, T. Tsujikawa and A. Yagi, Numerical Computations and Pattern Formation for Adsorbate-Induced Phase Transition Model, To appear in Scientiae Mathematicae Japonicae.

模様が形成される現象は白金板に吸着している分子の割合と白金板表面の吸着しやすさ を未知数とする反応拡散方程式系で表されます.この反応拡散方程式系の数値計算を ADI 法で行いました.また,数値計算結果を Open-GL で可視化しました.

本研究で追試を試みたのはターゲットパターンとネットワークパターンの2つです.

ターゲットパターンは標的のような模様です.分子の剥がれ落ちさに対応するパラメー タの値に依存して,ターゲットのリングがしっかりしたものになったり,リングが弱弱し く千切れたりします.また,白金板領域の境界付近で模様がひずむむことを発見し,その 理由の考察を行いました.2つのターゲットパターンを衝突させると同様のひずみが現れ るので,2つのターゲットパターンの相互作用としてひずみが発生するのであろうと判断 しました.

ネットワークパターンは網の目のような模様なのですが,数値計算の結果が想定してい た値の範囲に収まらないという問題もあり,本研究では再現することができませんでした.

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四文字熟語リストを利用した辞書ツールの開発

T040068 野崎洋平(馬研究室)

本研究はインターネットサイトから引用した「四文字熟語リスト」を用いて利便性の高いツールを作成することである。 以下が作成したツールの一覧である。

  • 1. 間違ったもしくは足りない四文字熟語を入力すると正しい四文字熟語を修正、補完するツール
  • 2. 入力された文字一つ一つの位置や並びを考慮し、より正確な修正、補完のできる1.の改良型
  • 3. 四文字熟語の意味に近い文を入力すると元の四文字熟語とその意味を出力する四文字熟語の逆引きツール
  • 4. 分類語彙表を用いてより正確な逆引きできる3.の改良型

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数独の人間型アルゴリズムによる解法

T040073 原田祐輔(宇土研究室)

数独は近年,新聞や週刊誌,さらには専門の定期刊行雑誌に掲載され,インターネットでも流行しているパズルゲームである. ルールはごく単純で,9行9列のマスに1から9の数字を埋め込むだけのものであるが,愛好家が増え,電車内でも解いている姿をよく見かける. そして最近は世界大会が開かれるほどになっている.

本研究ではこの数独を解くプログラムを作成する. この種のプログラムはインターネット上で見つけることができ,数理情報学科内でも数年前に卒業論文のテーマとなっている. しかしその多くが,単純作業を繰り返して解いているまさに機械的なプログラムである. そこで今回,できるだけ人間の論理思考に近づけた求解アルゴリズムによるプログラムの作成を行うことにした. また,指導教員から指定されたデータ構造を採用し,それに適したアルゴリズムを検討するということで独自性を確保する. 具体的には,各マスに対する候補の値の絞込みを行い,候補が1つに絞られた時点でマスの値を確定する方法を基本とする. この絞込みだけである程度の問題は解けるが,それだけでは不可能な問題については仮定法を利用する. この時点での仮定は,実際に人間が解くときにも使う候補を絞ってのものであり,単純なシラミツブシ法ではない. それにより,アルゴリズムを目で追うことが可能になり,求解プログラムとしての質の向上が期待できる.

プログラムは簡単なアルゴリズムから初めて,より高度なアルゴリズム(ステップ)を加えることでいくつかのレベルのものを開発する. そして,それぞれをインターネット上の数独の無料サイトに提示される,中級,上級,上級++と書かれた3段階の難易度の問題各100題に適用し,どの程度の論理でどこまでの問題を解くことができるかを実験し,プログラムの有用性を確認した.

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初心者の動機付けとなるメーラの作成

T040075 平井義弘(中野研究室)

本研究では、「パソコンメール初心者のための動機付けとなるようなメーラの作成」というコンセプトの下、メーラを作成した。

本研究では、Java言語を利用してメーラの作成にあたった。 プログラムは主に、Java言語が備えている電子メールの送受信に関する標準拡張APIであるJavaMailと、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を提供するためにSwingパッケージで構成されており、メールの送受信などはそれぞれに用意したウィンドウ上で処理を行うことが可能になっている。

本研究で作成したメーラは、POPサーバ名やSMTPサーバ名、ユーザアカウント情報を初期設定で予め登録しておくことにより、送受信時にユーザが入力する情報が極力少なくなるようにしており、既存のメーラが備えているように、添付ファイルの送受信も行えるようにしている。 また、前述のコンセプトに則り、通常のメールのやり取りと同時に、オセロゲームをやり取り出来るようにした。 これは、メール送信用のウィンドウにオセロ盤を乗せ、その情報を一手ずつメールヘッダ情報として変換することで、メールの内容と同時にその情報を送信し、ゲームを進めていくことが出来るようになっている。 これによってユーザが「ゲームをしながらパソコン上から電子メールをやり取り出来る」ことを図っている。

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コトバテトリスゲームの作成

T040081 松尾桐孝(馬研究室)

本研究で作成したコトバテトリスゲームとは、従来のテトリスと違いブロック1つ1つに漢字が描かれている。 それらを並べ四文字熟語を作成することによってブロックを消去していくゲームである。 作成した四文字熟語は意味を表示されるので語彙力向上の学習効果があり、本研究においては50単語の四文字熟語を導入させる事に成功した。

ゲーム作成に使用したプログラムは大学で習ってきたC言語ではなく、Hot Soup Processorという言語を独自に学習し使用した。 この言語はグラフィック処理に強いためゲーム作成に向いており、扱いやすく無料で使用できるのが特徴である。

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キツツキのおもちゃのコンピュータシミュレーション

T048004 畦地優作(阪井研究室)

私はキツツキのおもちゃのコンピュータシミュレーションをした。 最初にキツツキのおもちゃが動くしくみを考察した。 棒に付いている仕掛けに隙間があることによりの落下に対して摩擦があるのでキツツキは独りでに動く。 次に本来三次元であるこのおもちゃを二次元として座標をとって運動方程式を導いた。 そして、導いた式に基づいて計算機シミュレーションを行った。結果、キツツキに傾きをつけて落下させた場合は、現実のように落下していた。 キツツキの傾きをなくして落下させた場合だと、摩擦力が小さいので仕掛けとキツツキは自由落下のような動きで落下し、キツツキはほとんど振れなかった。

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Last Modified: Wednesday, 30-Nov-2011 12:22:04 JST