微分方程式を考えている領域内の各点で満たす解を古典解という. これに対して解の条件を弱めた粘性解という弱解がある. 本研究の目的は, eikonal方程式の境界値問題における粘性解の一意性について学ぶことである. まず半連続な関数に対して粘性解の定義を確認し, これをもとに一般の関数に対しては半連続包を用いることで粘性解が定義できることを学んだ. 次に粘性解の定義に基づいて一意性の証明を与えた. 内容は偏微分方程式を満たす粘性解が2つあると仮定し, 粘性劣解と粘性優解の比較原理を用いることで, 粘性解は考えている領域内の各点で一致することである. 以上のことから, eikonal方程式の境界値問題における粘性解が一意であることを示せた.
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