microphone これは数理情報学科の学生さんからのメッセージをそのまま掲載する学生の声のページです.

中学校教員となった福地里香さん(数理情報学科2006年度卒業生)が,在学生向けに,初めての1学期を終えた印象を語ったメッセージです. 福地さんによる教員採用試験合格体験記もあわせてご覧ください.

この春大学を卒業し、四月から神奈川県下の公立中学校に勤務しています。今はちょうど夏休みの期間で、学校に来るのは部活の生徒のみで学校の中が少し静かですが、学期期間中ともなると元気イッパイの子どもたちの中で過ごしています。私が教員を志し、この8月の暑い時期に教員採用試験の二次試験のために小田原まで夜行バスで行ったのからちょうど一年が経ち、今の学校に配属が決まりバタバタしていた1学期も終わり、あっという間の1学期でした。今回は、教職に就く前に思い描いていたものと実際に教壇に立って感じたものを紹介したいと思います。

授業について

blackboard

私は、現在一学年の副担任をしています。数学の授業は、全学年週3時間あり、私の学校では全学年TT(Team Teaching)を採用しています。その中で私がT1(主となり授業をする人)として授業をするのは、1年生全3クラスです。

3年生はT2(主となり授業している先生をサポートする人)として全3クラス週1時間だけ授業に入っています。この他に、3年生の選択授業を週1時間受け持っています。この選択授業では、主にワークシートを使って1年生からの復習問題を解いています。

個人的な意見として・・・・・

TTのメリットは、``T1の先生が授業を行っているときに、ノートの取り方が分からずとまどっている生徒を見てあげたり、授業中の私語をT1の先生が授業を止めることなしにT2の先生が注意できる''といったことが挙げられますが、私が実際にTTをやってみて感じたことは、TTで1つの教室に2人先生がいるよりも、クラスを半分に分けて少人数で授業をした方が生徒に目がいきやすいのではないかと思いました。同じ市内でも学校によって授業スタイルは異なり、TTを採用している学校もあれば少人数を採用している学校もあります。しかし、TTのメリットを上手く生かせず、実際にはT1の先生が前で授業をしているときにT2の先生は机間巡視しているといった状況では、とてももったいないような気がしました。

部活について

私は、女子バレーボール部の顧問をしています。私は、バレーの経験がないのですが、例え未経験の部活であっても顧問を任されます。まずは、ルールを覚えることから始め、春の大会・夏の大会では審判をしました。プレーしたこともないものを指導する事はとても困難です。バレーについての本を読んだり、3年生に教えてもらいながら手探りで始めた部活の指導でした。私以外にも、もう一人顧問の先生がいらっしゃいますが、その先生もまたバレーの専門外ということもあり実質、私が主となり指導にあたっています。

私の学校には朝練があり、朝の7時半から始まります。従って教師は、それより前に出勤しなくてはいけないので、朝が苦手な私にとって少し憂鬱です。また、放課後の練習に加え、土日にも練習があるのではっきり言って休みはありません。体を動かす事が好きなことと、土日にも子どもたちに会える、といったことが唯一の頑張れる要素になっていると思います。

個人的な意見として・・・

自分の専門としているまたは持ちたいと思っている部活を持てる確率は半分以下です。また、部活を持たないことは、新採にはあり得ません。したがって、必ずしも希望の部活をもてるとは限らず、例え苦手なスポーツの顧問になったとしても、部活は必ず持たなければいけません。ちなみに私も、バレーは不得意なスポーツの1つです。

4月の初めに驚いた事

school

新採用の教員は``新採用研修''として年間数百時間の研修が組まれています。4月の当初に、その新採用研修の日程がのった年間計画書が配られたのですが、あまりの研修の多さにびっくりしました。恐らく一般の企業が入社3ヶ月を研修に当てるのと変わらないのかもしれませんが、夏休みの期間はほぼ毎日研修センターで講義をきいたり、また宿泊研修や社会体験といって保育園や老人ホームに行くといったことをしました。授業や部活、行事など多忙な中、こういった研修があり、またその研修に関してのレポート提出などもあるので教員の忙しさにびっくりしました。

個人的な意見として・・・

学校内に同年代の人が少ない特殊な現場なので、こういった新採用研修で同期と意見交換ができることは本当に貴重になっています。また、新採用でも臨任をされていたり、一般企業で働いていたりと新卒新採という私みたいなケースはとても稀です。しかし、同期なのでお互い悩みが似ていたり、励ましあったりできるので、こういった研修もとても貴重だと思いました。

大学で勉強しておいて役立ったこと

私が感じた大学で勉強しておいて役に立ったことは、やはり``数学''です。中学生ともなると「なぜ数学を勉強しなければいけないのか。」といったことを疑問にもつ生徒も出てきます。四則演算さえできていれば、生活をする上で困ることはない、と考えるからです。しかし、私は大学で今まで学んできた数学が生活上に大きく活用されていることを知りました。むしろ、この世の中で数学が使われていない場を探す方が難しいのではないかと思います。したがって、生徒に数学を学ぶ意義について説くときには、身近な話題から持っていくことが有効ではないかと思い、大学で学んだ生活の中の数学を話しています。また、数学のおもしろさは、パズルを解くおもしろさにとてもよく似ていると私は感じています。大学のときに教えて頂いた、``アルキメデスと亀''、``ギリシャ三大難問''や``フェルマーの大定理''の話などは、中学生でも十分理解でき、かつ数学に興味関心を抱けるのではないかと思いました。

嬉しかったこと

私が教員になって嬉しかったことは、本当にたくさんの良い出会いがあったことです。教員になる前は、「生徒が話しかけてくれなかったらどうしよう」とか「周りの先生が恐い先生ばっかりだったらどうしよう」など、不安でいっぱいでした。また、本当に私なんかが教師という仕事が務まるのだろうかとも思っていました。しかし、子どもたちや周りの先生、また同期の先生たちとの出会いに恵まれ、毎日「教師になって良かったなぁ。」と感じています。教師という仕事は本当に仕事の量が多く、残業も毎日、休日は部活で休みなし、子どもたちは待ったなしで様々な事件を起こしてくれますが、それでも大好きな子どもたちに囲まれて過ごせる時間は、私の中で大きな財産です。このような気持ちがもてるのは、素晴らしい出会いのおかげです。この出会いが私の中での一番嬉しかったことです。

(2007-08-31)

Links

Last Modified: Wednesday, 02-Jun-2010 20:04:42 JST