京都駅前セミナー

~非線形現象の数理を考える~

 

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◎第74回

 

日時: 平成31年 1月22日(火) 14時00分~17時30分
場所:キャンパスプラザ京都 6階第7講習室

講演1 

陰山 真矢関西学院大学 大学院理工学研究科

時間 

14:00~15:30

題目 

デイジーワールドモデルにおける温度恒常性と棲み分けパターン

概要 

各地で観測されている植生分布パターンはその土地の環境条件と密接に関係している。Watson-Lovelock1983)によって導入されたデイジーワールドモデルは、惑星に棲む生物(デイジーの花)の競争とそれらを取り巻く環境(温度)との相互作用を記述する単純な数理モデルである。本講演では、2次元長方形上のデイジーワールドモデルに対する数学解析と数値シミュレーションの結果について紹介し、惑星の温度恒常性システムとデイジーの分布パターンとの対応関係について述べる。とくに、その分布パターンが拡散誘導不安定性のようなメカニズムに起因して現れることを説明する。

 

講演2 

田中 吉太郎はこだて未来大学 システム情報科学部 

時間 

16:00~17:30

題目 

分化の波に対する数理モデルの連続化とPlanar進行波解への数理解析

概要 

ショウジョウバエは,人や哺乳類と類似した脳の構造をもっており,遺伝子操作がしやすいことから,実験によく用いられる生物モデルである.ショウジョウバエの脳の視覚中枢では分化が波のように伝播する現象が観察されており,その基礎研究から神経形成に関する多くの知見が見出されてきた.本講演では,この分化の波とその数理モデルを紹介し,解析のための,細胞の大きさを残す連続化の方法について説明する.最後に,1変数の非局所発展方程式のPlanar進行波解について,その存在と形式的に導出した安定性の公式について説明する.