京都駅前セミナー

〜非線形現象の数理を考える〜

 

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◎第68回

 

日時: 平成29年 6月23日(金) 14時00分〜17時30分
場所:キャンパスプラザ京都 6階第7講習室

講演1

國谷紀良(神戸大学大学院システム情報学研究科)

時間

14:00〜15:30

題目

実年齢構造を持つSIR感染症モデルの安定性解析と基本再生産数Roの数値近似

概要

実年齢構造を持つSIR感染症モデルに対して、感染症が存在しない状況を意味する自明平衡解の大域的な漸近安定性は、基本再生産数Ro1より小さい場合には証明される。しかし感染症が存在する状況を意味する非自明平衡解の大域的な漸近安定性は、一般には証明できず、不安定化による周期解の発生の例も得られており、年齢構造が感染症の非季節的な周期流行の原因となる可能性も示唆されている。しかしこれまでの先行研究で得られた不安定化の例は、感染伝達力が特定の年齢においてのみδ関数の意味で集中して高くなるなど、非現実的とも考えられるものであった。本講演では、比較的現実的と考えられる仮定の下で、Ro1より大きい場合の非自明平衡解の大域的漸近安定性に関して得られた結果を紹介する。またRoの数値計算のために半離散化系を利用する手法と、スペクトル近似によるその手法の正当化に関する結果を紹介する。

 

講演2

李聖林 広島大学大学院理学研究科

時間

16:00〜17:30

題目

生命現象におけるドメインの役割

概要

生命現象においてドメインは、生命の機能を決定する非常に重要な役割を果たすことがある。

本講演では、細胞核(遺伝子が置かれているドメイン)と細胞(細胞内分子が置かれているドメイン)

のパターン形成における役割を数理モデルから明らかにした結果を紹介する。